美濃路行

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駄知、高田、妻木、品野・・・。


瀬戸美濃は、今この季節の奥行きを、その小さな器の中に閉じ込めるようで
夜の独酌であるならば、あるわけでなくとも、
ぱちぱちと 火のはぜる音が聴こえてくるようです。




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 心の澄むものは 秋は山田の庵ごとに
 鹿驚かす引板の声
 衣しで打つ槌の音

 心の澄むものは 霞、花園、夜半の月
 上下も分かぬは恋の路
 岩間を漏り来る滝の水

 常に恋するは 空には織女、流星
 野辺には山鳥、秋は鹿 流れの公達、冬は鴛鴦


 河辺に遊ぶは文の鳥 沖の波をこそ数に書け 数とすれ
 や 浜の真砂は数知らず や 千秋の願ひは満ちぬらむ


         ― 治承年間(1180年頃)/ 『梁塵秘抄』後白河院




名品とか、優品とか、そうした話を抜きにして、
重なる落ち葉のような、飾らぬ彼らで酒を楽しむことは
秋の山々に抱かれるように、ほっと温まるものです。




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 江戸前期-明治期 / 瀬戸美濃盃







                             百芍丹
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by h_s_t | 2013-11-21 16:27 | 品々のこと
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