冬灯 (ふゆともし)

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 ふりしきる星明りの下、

 沖に鳴る潮の音と

 松の梢に鳴る風の音とがまざりあう

 岬にきて、私たちふたり紅葉を喫す。


 川沿いにつづく家並の灯も

 岬の蔭の養魚場の灯も、もう消えた。

 私たちは 人々と訣(わか)れてきて、

 人々は 私たちをとうに忘れている。


                   ― 『鵜原』抜粋  中村 稔 / 1927 -













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 灯を消せば 涼しき星や  窓に入る

                   ― 夏目 漱石 / 1867 - 1916





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一度だけ 本当の恋が ありまして


         南天の実が 知っております




                   ― 山崎 方代 / 1914‐1985








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 清朝 白磁灯火器

※冬灯(ふゆともし)/ 冬の季語。近年は「ふゆあかり」とも。
 冬の冴え澄みきった空気に明々と燃える燈。
 温かい灯と観るか、はかないと観るかは人それぞれに変わる季語。
※記載の詩、句のいくつかは、本来は秋のものです。
 季節を超え印象的な詩句に思い、引用させていただきました。






                               百芍丹
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by h_s_t | 2015-01-14 10:00 | 品々のこと
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