2017年 03月 07日 ( 1 )

三寒四温へ          2




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あなたのものは 大変面白いと思ひます

落着があつて 巫山戯(ふざけ)てゐなくつて

自然其儘(そのまま)の可笑味(おかしみ)が おつとり出てゐる所に

上品な趣があります

<中略>

あゝいふものを是から二三十並べて御覧なさい

文壇で類のない作家になれます



              ───── 1916年 夏目漱石(晩年期)
                    芥川龍之介 宛て書簡 原文抜粋




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夏目先生が大へん「鼻」をほめて、
わざわざ長い手紙をくれた。

大へん恐縮した。


              ───── 1916年3月 芥川龍之介(小説家誕生期)
                    井川 恭 宛て書簡 原文抜粋



※鼻 / 同人であった『(第四次)新思潮』の創刊に際し、作品「鼻」を発表。同人内
 では酷評されるも、夏目漱石を皮切りに文壇・文藝界は絶賛をはじめる。
 新進作家として扉がようやく開き、以後芥川は耳目を集める存在となる。

 芥川は大きな緊張のもとに夏目漱石をすぐに訪問。以後、漱石を深く慕い門下と
 なり夏目も芥川を温かく見守るが、両人知らず、夏目の死期が近づいている。






















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本をよむ事と かく事とが(論文も)
一日の大部分をしめている。

ねてもそんな夢ばかり見る。



何だかあぶないような

そうして愉快のような気がする。


来るものをして 来らしめよ と云う気がする。


              ───── 1916年3月 芥川龍之介(小説家誕生期)
                    井川 恭 宛て書簡 原文抜粋







書きたい事が沢山ある。

材料に窮すると云う事はうそだと思う。

どんどん書かなければ材料だって出てきはしない。



              ───── 1916年7月 芥川龍之介(小説家誕生期)
                    井川 恭 宛て書簡 原文抜粋







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※井川 恭(1888-1967)/恒藤恭。法学者。一高時代の同級生。卒業後も、信
 頼おける良い親友関係は長く続く。
※一高(=旧制第一高等学校)/現在の東京大学(教養学部)等の前身となった
 学校。一高の卒業生の多くは東京帝国大学へ進学。
※底本を石割透氏編(全書簡)としております。改行等は判読しやすく改行し、旧
 字等の凡例に関しては底本に沿います。ご了承ください。









                           百芍丹
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by h_s_t | 2017-03-07 12:00 | 日々のこと